開発の背景
発育に水素が必要な菌(代表的なものとしてHelicobacter cinaedi があります)の検出が増加傾向にあり、かねてより水素が発生するアネロパック(ガス発生剤)の開発要請が臨床現場から出されていました。しかし、現行のアネロパックに水素発生機能を付加することが難しいため、水素のみ発生する剤の開発を行いました。
水素発生剤の内容
原料は酸化カルシウムとアルミ粉末です。これを小袋に充填し、小袋に水を加えると水素が発生するというものです。反応式は以下のようになります。
CaO + Aℓ + 5H2O → Ca(OH)2 + Aℓ(OH)4 + 2H2 ↑ |
使用方法(微好気性菌の場合)
現在サンプルとしてご提供している水素発生剤は、原末重量が1gのものです。これに約3gの水を加えますと、約300mlの水素ガスが発生します。必要な水素の量はジャーの大きさによって異なりますので、加える水の量で発生する水素ガスの量を調整します。
- アネロパック角型ジャー(標準型)にアネロパック微好気剤と一緒にご使用ください。
- 水素発生剤は最後にジャーに入れてください。
入れた水素発生剤にスポイトなどで正確に水を0.5ml加えてください。水素はすぐに発生しますので直ちにふたを閉め、1時間程度、室温に置いてから恒温槽に入れてください。
このまま通常通り数日間培養してください。
使用上の注意
- 最初に加える水の量は0.5mlでお願いします。
培養結果が思わしくない場合でも加える水の量は最大で1mlまでとして下さい。水を多く入れると水素が出すぎてジャー内が陽圧になります。 - 火気のあるところでは使用しないでください。
水素は空気より軽くすぐに拡散しますので、水を少量加えた時に発生する程度ではまず問題ありませんが、空気中に4%以上あれば火がつく可能性がありますので、火の近くでは操作しない様にしてください。特にジャーの開封時にはまとまった水素が出ますので、火気のあるところでの開封は避けてください。 - 使い終わったら水素を出し切ってから捨ててください。
開封時にはまだ余剰能力が残っています。水に触れると反応して熱くなりますのでご注意ください。捨てる時は水に浸けて水素を出し切ってからごみ箱に捨ててください(火気のないところでお願いします)。 - 湿気を避けて保管してください。
湿気を吸うと徐々に水素を発生して性能が低下しますので、Wチャック袋に密閉して冷蔵庫に保管してください。
水素発生剤使用方法
※撮影協力:株式会社ミロクメディカルラボラトリー
品番 | 商品名 | 入数 | 価格(税別・送料込) |
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S-01 | 水素発生剤 | 10個 (アルミ袋入り個包装) (有効期限は出荷日から3年です) |
1,900円 (陸送可能地域に限る) |
*航空便や船便を使う地域については別途お見積りさせていただきます。
(水素発生剤は航空法上、水反応可燃性物質に該当するため、飛行機や船で輸送するときは固形容器に入れる必要があるため。)
価格、仕様については予告なく改定することがあります。