<シュレンク・チューブ>はW. Schlenk 博士の考案を基に発展したガラス器具で、簡単な操作で器内を不活性ガス 雰囲気に置換し、有機金属化合物試料の結晶、ろ過固体の試料調整、昇華、移送などを操作できます。
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あらかじめ枝管・A を窒素ガスボンベと接続し、コッ ク中栓の脚管・B を小型の真空ポンプと接続、配管し ておきます。 [1][図1]:突起をC 側に向けて中栓を回してC → B の回路を通じさせ、ガラス器具内の空気を真空引きし ます。
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[2][図2]:突起を図の手前側に向けて中栓を回してA → C の回路を通じさせ、ガラス器具内へ窒素ガスを 充填し、極微量の残留空気に合わせ、希釈します。 [1]→[2]の操作を3 回以上繰り返せば、大気下で器具内 の空気の残留を限りなくゼロに近づけた実験を遂行で きます。
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[3]シュレンクチューブのコックを[図1]の位置へ回し て真空引きします。このとき窒素ガスはF を押し下げ 流動パラフィン中をバブリングしつつ《D → E → F → G → H →外気》へ流れます[図4]。 [4]続けてコックを[図2]の位置へ回すと《C → A → I》 が通じ窒素ガスが真空下のシュレンクチューブ内に吸 引され同時にバブラー内でF がE へ吸着されるため
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直ちに《E → F → G → H》の回路が閉じて外気の逆流 を防ぎます[図5]。 [5]やがて《E → F → G → I → A → C》へ流れてシュレ ンクチューブ内に充満した窒素ガスは、《A → I → E》 へ流れてF を押し下げて、G からバブリングしつつ《E → F → G → H →外気》へ流れます[図6]