嫌気培養とは

嫌気性菌(偏性嫌気性菌)とは、酸素のない環境でのみ生育可能な菌のことであり、嫌気性菌の培養を行うには、培養環境から酸素を取り除き無酸素の環境を作り出す必要があります。
アネロパックなら、水・触媒や、高価な装置を使用せずに、嫌気環境を作り出すことができ、嫌気培養を手軽に行うことができます。

アネロパック・ケンキ

アネロパック・ケンキによるガス濃度変化の例

アネロパック・ケンキによるガス濃度変化の例

嫌気指示薬の変色(酸素濃度0.1%以下でピンク色の呈色)には、嫌気環境になってからさらに2時間程度かかります。

アネロパウチ・ケンキ、アネロパック・ケンキ

嫌気性菌の大量培養に。

  • 剤が密閉容器内の酸素を吸収すると同時に、15%以上の炭酸ガスを発生し、嫌気環境を作ります(2時間以内に酸素濃度は0.1%以下になります。)
  • 2.5Lに1枚入れてお使い下さい。

※3.5Lのジャーに1袋で間に合う、アネロパック・ケンキ(中)もご用意しています。

アネロパック・ケンキ10%
(旧商品名:
薬剤感受性用)

アネロパック・ケンキ(薬剤感受性用)のガス濃度変化

嫌気性菌の薬剤感受性試験用に。

  • CO2濃度は約10%(アネロパック・ケンキは15%以上)。酸素吸収・CO2発生スピードはアネロパック・ケンキと同じです。
  • 容積が2.5Lの容器に1枚入れてお使い下さい。

アネロパック・ケンキ
高温菌用

  • 嫌気性高温菌の55℃以上の培養に。

    • アネロパック®・ケンキ(高温菌用)は50℃下で、2時間以内に酸素500mlを吸収します。37℃下では更に1~2時間程度を要します。
    • Wチャック付きスタンディングパウチもしくはスタンディングパウチと高温用クリップをご使用ください。角型ジャーはご使用になれません。

アネロパック・ケンキ5%
(旧商品名:
アネロパック・ケンキfor Cell)

アネロパック・ケンキ5%によるガス濃度変化の例

炭酸ガス濃度5%前後での低酸素実験に。

  • 炭酸ガス濃度5%前後での低酸素実験を手軽に行なえます。大掛かりな装置は必要ありません。(用途例:嫌気性菌の培養、細胞の培養など)
  • アルミ袋を破って中の剤を容器に入れるだけでただちにO2を吸収、CO2を発生させます。「O2濃度1%以下、CO2濃度5%前後」という環境を1時間以内に作ります。
  • CO2濃度5%は約5時間維持され、その後低下します。
  • 角型ジャー標準型(2.5L)に1個ご使用下さい。ペトリディッシュ、マイクロプレート、マルチディッシュなどが収容できます。

〈ケンキ指示薬使用のお薦め〉

嫌気指示薬を使用すれば、培養中に容器内が嫌気状態になったことが確認できます。
色の変化により、酸素の有無がわかります。

嫌気指示薬について

〈嫌気性菌について〉

酸素が存在しないところでのみ生存できる菌を偏性嫌気性菌(嫌気性菌)と言います。
(これに対して、酸素が存在してもしなくても生存できる菌は通性嫌気性菌と呼ばれます。)
人体(粘膜、口腔、腸管等)、動物の体内または環境中(土壌等)に存在しており、菌の種類も多様です。
嫌気性菌の仲間には、ウエルシュ菌、ボツリヌス菌などのように食中毒を引き起こすもの、破傷風、歯周病、慢性化膿性感染症などの感染症の起因菌となるものの他に、食品や飲料の変敗を引き起こすもの、一部の乳酸菌のように人体に有益な作用を及ぼすものがあります。

  • 培養ガス濃度
    酸素=0%
    炭酸ガス=5%以上
    (一般に、高めの方が発育がよい。但し、感受性試験の際は10%以下がよいとされる。)
  • 代表的嫌気性菌(臨床領域)
(グラム陽性球菌) Parvimonas属、Peptostreptococcus
(グラム陰性球菌) Veillonella
(グラム陽性桿菌) Eubacterium属、Cutibacterium属、Actinomyces
(グラム陰性桿菌)

Bacteroides属、Fusobacterium属、Prevotella属、Porphyromonas

(有芽胞・グラム陽性桿菌)

Clostridium属、Clostridioides

剤と容器の対応表

アネロパック使用方法

※撮影協力:株式会社ミロクメディカルラボラトリー

価格表

商品名 商品番号 商品構成内容 価格(円/税別)
アネロパック・ケンキ(指示薬付) A-02 剤×40個
嫌気指示薬×40個
密閉クリップ(指示薬用)×1本
12,500
アネロパック・ケンキ A-03 剤×50個 12,500
アネロパック・ケンキ A-04 剤×20個 5,500
アネロパック・ケンキ(中/3.5l) A-06 剤×30個 11,000
角型ジャー・ケンキシステム A-41 ジャー(標準)×1個
剤×20個
嫌気指示薬×20個
密閉クリップ(指示薬用)×1
13,800
アネロパウチ・ケンキ(指示薬付) A-12 剤×40個
嫌気指示薬×40個
密閉クリップ(指示薬用)×1本
11,200
アネロパウチ・ケンキ A-13 剤×50個 10,000
アネロパウチ・ケンキ A-213 剤×20個 4,400
Wチャックパウチシステム・ケンキ A-17 Wチャック袋×20袋
剤×20個
嫌気指示薬×20個
密閉クリップ(指示薬用)×1本
8,200
アネロパック・ケンキ10%(薬剤感受性) A-09 剤×30個 10,400
アネロパック・ケンキ(高温菌用) A-05 剤×50個 14,000
アネロパック・ケンキ5% A-07 剤×20個 8,000

剤─容器(ジャー/パウチ)対応表

 

剤の種類 対応する容器
(ジャー/パウチ)種類
剤使用個数 使用する
クリップ
収納シャーレ枚数(Φ90mm)
アネロパック・ケンキ
角形ジャー標準型2.5L(A-110) 1個 10~12枚
角形ジャー大型7.0L(A-112)     3個 36~42枚
角形ジャー中型3.5L(A-119) 2個 or 中1個 15枚
Wチャック付
スタンディングパウチ袋
(A-98)
1個 12枚
パウチ袋(A-92) 1個 A-74 10枚
パウチ袋(A-93) 2個 or 中1個 A-75 16枚
パウチ袋(A-94) 3個 A-76 34枚
アネロパウチ・ケンキ
  1個 2枚
  1個 2~4枚
  1個 A-72 2~4枚
アネロパック・ケンキ
10%(薬剤感受性)   
  1個 10~12枚
アネロパック・ケンキ
(高温菌用)
  1個 12枚
  1個 A-82 10枚
  1~2個※ A-83 16枚
  3個 A-84 34枚

※シャーレ12枚以上には2枚ご使用ください。

カタログダウンロード

  • アネロパックシリーズ・価格表 JAN付き

    PDFファイル(2023-08-07 ・ 330KB)

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